爆買い状況の変化について。

観光庁発表の今年1~3月期の訪日外国人消費動向調査。
訪日客1人当たりの支出が前年同期比で『5.4%』のマイナスとなった。

理由としては「円相場が人民元に対して円高方向に動いたことによるもの(5月に中国に出張した時には20円だったが、現在は16~17円なので、かなりの円高になっている)」と指摘されているけれど、実際はどうなのだろうか。

もともと「爆買い」中国人は金に糸目をつけない買い方をするのではなかっただろうか。

そんな中、こんな記事も飛び込んできた。

「日本製よりうまい」小米科技(シャオミ)の炊飯器 「爆買い」にブレーキ? 開発者は旧三洋電機部長

爆買いが始まって数年になる中国で、現在問題となっているのは日本で購入した家電の『修理』に関すること。
経済が落ち込んできているということもあり、さすがに「壊れたら捨てて買いなおす」わけにもいかず、修理をしたいが、そもそも日本製品のため修理部品がなかなか手に入りにくい。

日本の家電各メーカーは、(欧米メーカーと比べて)中国市場への進出が遅れていて「販売ネットワーク=修理対応ネットワーク」の構築があまり出来ていないことが、こうした事態を引き起こしている。

そもそも、「販売ネットワーク=修理対応ネットワーク」が構築できているなら、家電製品の日本国内での爆買い現象は怒らなかったわけで(現地で購入できるから)、今頃になってようやく各家電メーカーは「修理対応ができない=製品が売れない」ことに気がついてきたのではないか。

上記の記事は、そうした(日本の製品ではなく国内のメーカーの商品を求める現地人)に対して製品を供給するようになった中国のメーカーのお話で、結局、日本の爆買い現象は中国メーカーにとっては良いマーケティングができただけ、後はこっちでやりますよ、ということなんじゃないか。

そうしたことから、一部「爆買いがなくなる」とする報道も見られるようになった。

本当に爆買いはなくなるのか。
インバウンド市場への参入を考えるデパートや商店の多くが、疑問に思う部分だと思う。

個人的な感想としては、一人あたりの単価が下がったとはいえ、母数(入域観光客数)が増えているのだから、インバウンドの市場規模は縮小どころか拡大すると予想している。
ただ、拡大しているからといって安易に参入するだけでは、モノは売れなくなっている…というのが実際のところだろう。

数次ビザのおかげもあってインバウンドビジネスの最前線といっても過言ではないここ、沖縄の現状を見ると、同じように各社がインバウンド参入していても、明らかにその差があるということが見て取れる。

人が増えているのは、WeChatの公式アカウントを運用するなどして、せっせと口コミで情報を配信しているような店舗であり、人があまり入っていない店舗は、どちらかというと現地のメディアなどに広告を掲載している店舗だ。

中国の人は、日本人以上に広告に対して厳しく反応する。
誇大広告にも慣れているので、多少のことでは見向きもされない。

拡大するインバウンド市場へ参入を考えるのであれば、それなりの戦略が必要になってくるが、あまりそうしたことに対応できる企業がないというのが現状かもしれない。

日経インバウンドBizの掲載企業数を見てもわかるように、インバウンド支援で結果を出せる企業は驚くほど少ない。

観光客4,000万人を目指すなら、政府はこうしたインバウンド支援企業を育成する必要があるのだが、現在のところ「インバウンド参入企業への助成金」はあっても「インバウンド支援企業への助成金」はほとんど皆無。

きちんと戦略を建てて取り組む必要があるのに、インバウンド新規参入の素人企業には助成金出すけど、専門支援企業には助成金出さないというのはどうなのだろうか。

たくさんお金を使うFITの富裕層は、GITの品のない中国人と一緒に見られるのを嫌うそうだ。
でも、現在のインバウンド対応といえば大きな声で中国語で呼び込みしたり、ちょっと品のない対応が目立つ。

間違ったインバウンド対応は「太客」を逃している。
そのことに気づいていない(インバウンド)担当者ばかりという、現在の状況をなんとかするためには、しっかりとした『支援』が必要なのだが…。(要は「現実」を見ろ、ということ)

JETROのセミナーとかも何回か参加したが、そうしたところまで支援できているとは感じられない。
いったい彼らは何の「専門家」なのだろう。
ちょっとネットで調べれば収集できるような情報をドヤ顔でレクチャーされてもなぁ…。

政府を始め、各自治体およびその外郭団体全てが、インバウンドに対して「遅れている」ということをきちんと把握し、民間(の支援専門企業)へさっさとその役目(と予算)を渡したほうがいい。