MetaioSDKを使用した、商店街活性化のためのARアプリ。

やっとこさ、発表はおわったが…

昨年から取り組んでいる、商店街の活性化を目的としたARアプリの開発案件。
企画から何から全て自分のネタなんで、泣きごと言うのもアレなんですが、結構しんどい。

半年という期間で、ARエンジンの選定からコンテンツ製作、アプリのデベロップ…でもって3本のアプリをリリースという強行スケジュール。
通常、この規模のアプリだと、開発は数名でやるのが普通なんだろうけど、今回のやつは予算の関係で

・プロデューサー 兼 ディレクター 兼 アプリデベロッパー 1人
・アプリデベロッパー(iOS & Andoroid) 1人

って感じで、実質2人で動いているので、なかなかキツイ。
まあ、さすがにコンテンツ(主に3Dモデル)は外注だけど。。。

で、発表会に来ていた某企業の方と情報交換をする機会があったんだけど、そもそもこの企業ですらMetaioSDKを使ったネイティブのARアプリ開発まで至っていないのね。。。
http://www.lexues.co.jp/info/?p=1181
こんな感じで、ARアプリと観光行政のリンクに寄与していただいている、多分沖縄県内のIT企業の雄とも言うべき企業が、MetaioSDK使ったアプリ開発に着手していないのは、多分、高価なSDKを使うような案件がないからなんだろうと思う。

ま、正直、わざわざMetaioSDK使って開発しなくてもJunaioでいいよね…ってなるのはしょうがないかも。

今回の件で思ったのは、SDKのライセンス購入に対する補助金を、県なり市なりといった自治体が支援してあげることで、ARアプリの開発が増えるんじゃないかなぁ…と。

やっぱ、数十万もするSDKライセンスや数万単位のオーサリングツール、テスト用の端末…を用意すると、アプリの開発環境を整えるだけで100マソ以上のお金がすっ飛んでいくわけで、マネタイズモデルがしっかりと確立していないARアプリの開発には手が出せんなぁ…と思います。

開発環境+エンジニアの人件費を考えると、そらアプリ1本で1,000万円超えになってしまうのはしょうがないとは思うけれど、どうにかならないもんだろうか。

それでも、努力すれば少ない予算であってもSDK使ったアプリ開発を進めることができるし、数百万円の予算でも3本のARアプリ開発とか、やろうと思えばできちゃうところが、IT業界の良いところ。
予算がない、時間がない、技術がない(のはしょうがないか…)という言い訳をして、Junaioコンテンツでいいよね~って逃げ道だけは作りたくなかったので、それはそれでよしとしよう。

というわけで、今回の発表会の資料をアップ。
これを見れば、僕(というか振興会が)どのようなことをしようとしているのかがわかるようになってます。
発表会資料はこちら

アプリの目的を明確に

今回、一番最後まで固まらなくて反省しているのが、アプリの目的。
発表会の資料では「イベントアプリ」「観光情報案内アプリ」「プロモーションアプリ」と、アプリの目的がキチンと明確にされていたけれど、ここんところが固まったのが実はつい最近だったりして、そのあたりはプロデューサーとしてはおおいに反省しなければならないところでもある。
というか、ここんところを最初に決めなければならないのに、何やってんだろう…という感じ。

内容に関しては発表会資料を見ていただければわかると思うんだけど、本来はプレゼンの段階でこのあたりまで固めたモノを出さなければいけなかった。

ちょっと周りに引っ張られて、あれよあれよというまにプレゼン資料の作成をし、まだどんなライブラリを使うのか、どんなライブラリがあるのかすらリサーチもしていない状況で見切り発車してしまったことが悔やまれる。

最終的には、キチンとコンセプト・目的が明確になっているアプリを3つ作ることで落ち着けたのでよかったけれど。

今回の件は非常に勉強になった。

アプリの目的が明確になったことで、使用するコンテンツに関しても固まった感じはする。

・イベント → マーカー+画像+音声+3D+スクリプト多用
・観光案内 → 3DCG+マーカー
・プロモーション → マーカー+動画(背景透過動画)

予算のこととか

多分、だけど。。。
僕が知る限りでは自治体や企業レベルでのARアプリの製作はあっても、商店街レベルでのARアプリ制作は今回の那覇市中心商店街連合会が全国初なのではないかと思う。

那覇市中心商店街連合会がARアプリの製作に着手できたのは、那覇市の補助メニューによるところが大きい。
これがなければ、実際、アプリ開発はできなかった。
自主財源だけでは開発環境を整えることすら難しかった。

第2に、実質二人で動いていた僕らが、ほとんどボランティア状態であったこと。
こうした案件を企業に発注するとなれば、それこそ数百万~の金額がかかる。
最近では、格安のARアプリ製作をウリにしている企業もあったりするけれど、そのほとんどがJunaio等の「クラウド型統合アプリ」のコンテンツを開発するといったもので、ネイティブアプリの製作を数十万円でやってくれる企業はないのが現状。

こうしたことを考えると、やはり商店街レベルでのARアプリ開発なんてのは夢のまた夢の世界で、次の事例はなかなか出ないんじゃないだろうか。

今回のアプリ製作にあたって心がけたこと

・エアタグ方式の情報看板だけはやりたくない。
自治体のやっている観光情報系のARアプリのほとんどが、空中にエアタグが浮遊する形式の仮想情報看板。
個人的に、こういうのってアプリでやる必要あるのだろうか…と考えてしまう。
中には、エアタグをクリックするとWebに飛ばされるだけのものもあったりして、だったらQRコードでいいんじゃね?…と思うようなものが少なくない(どころか、大半のARアプリがコレ)。
「ARアプリ=エアタグでの情報看板方式」みたいな図式になっていて、そういうのだけは絶対に嫌だ、と思った。

・写真撮影機能は、あくまでもオマケ(というかその機能はあることが大前提)
次に多いARアプリは、出てきた情報と一緒に写真撮影できる機能を持ったもの。
個人的には、画面上に拡張情報を出すということは、そいつを(あるいはそいつと一緒に)写真を撮るという行為は、ごく当たり前の行為だと思う。
なので、それ(写真撮影機能)は当然あるべきで、それがメインの機能であるARアプリはなんだかなぁ…と思っている。
今回のアプリにも、沖縄らしくジンベエザメやマンタ、ヤンバルクイナなど、写真撮影を楽しめるコンテンツは入っているが、写真撮影そのものがアプリの目的ではないのでそこを全面に押し出すようなことはない。

・コンテンツの追加が容易であること
今回製作したアプリは、コンテンツ部分とアプリの基本設計部分が分離しているので、後からコンテンツを追加してバージョンアップリリースが容易になっている。
せっかく作ったアプリだもん、コンテンツを後から追加していって運用できるものでなければならないし、コンテンツ部分を広告媒体として売っていけるようになれば、自主財源の確保にもつながる。

補助金はいつまでもある…という考え方ではなく、せっかく使わせていただいた血税でもって、お金を生み出すプラットフォームを創りだすという考え方。
僕が補助金をつけた担当者だったら、補助金で作られたアプリが、自分がつけた補助金以上のお金を稼ぎ、地域経済の活性化に寄与する方が嬉しい。
それでこそ補助金をつけたかいがあるというものだ。

沖縄は、基地の問題もあって補助金がやたらと多い。
無駄使いも多い。
本土の人たちから「沖縄土人は補助金クレクレ君」という非難をされるのも、ある程度は理解できる。
まあ、実際はその沖縄の補助金を狙って本土の企業が支店を開設し、無駄遣いをしている案件も多いので、日本政府がお金を出して、現地の工事を日本企業が受注してインフラを残すODAみたいな感じではある。
こっちに言わせれば、本土企業の方が補助金乞食なんだけど、そういった実態を知らない人にとって「沖縄県民=補助金乞食」に見えてしまうのは致し方ないのかもしれない。
もう一つ言わせてもらうと、経済活動が活発になり、その国に利益をもたらすインフラを整備しているODAの方が断然マシだ。
沖縄の補助金を無駄使いする本土の企業は、我々沖縄県民の生活の向上に資するインフラの整備に寄与していない。

…と個人的には思っている。
ただ、沖縄のために力を尽くしてくれている企業も多いので、そのような乞食企業ばかりではない、ということはきちんと言っておかないと。

ただね…。
沖縄県の某職員の方がこんなことを言っていたので、紹介しておきます。

「僕のところに来る企業さん、団体さんのほとんどが『本土では主流』とか『本土でこのような実績が』といって、最新の技術とやらを持ち込んで(補助金を付けて欲しいと)来るんだけど、それがどう沖縄のためになるのかを語るところはほとんどないね。本土での実績だって、つくろうと思えばいくらでも作れるでしょうし。本土では赤字覚悟で安く入札して、その分を沖縄で取り戻そうとでも考えているんでしょう。」

予算持ってる担当者はツライですなぁ…。

それはさておき…。
今後、様々なコンテンツを追加していくことでアプリが利益を産んで、コンテンツを作る若手クリエイターさんが潤ったり、商店街の自主財源の確保に寄与できるよう考えて、今回のアプリは作りました。
一番心がけたのはそこのところ。

戦いは終わらない

一応、報告会用にはテストアプリを使ったので、未だアプリはリリースできていません。
Appleのリジェクト攻撃との戦いの日々を送っております。
コンテンツの方も、まだまだ全然足りないし。

アプリの完全リリースの目標は4月中旬~下旬で、ゴールデンウイークには本格運用を目指しております。

死なないように頑張りたいです。